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信州大学医学部人工聴覚器学講座
​研究テーマ

Image by Sangharsh Lohakare
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タイピング

難聴の遺伝子解析

難聴は罹患者頻度の最も高い感覚器疾患であり、150種類以上の原因遺伝子が関与することが知られています。近年の次世代シークエンス解析の臨床応用により、多くの遺伝性疾患の原因が明らかとなってきました。 

信州大学医学部人工聴覚器学講座では20,000人を超える難聴患者さんの次世代シークエンス解析を実施しており、日本人難聴患者の遺伝疫学(原因遺伝子の種類や頻度、原因遺伝子別の臨床的特徴)を明らかにするための研究を実施しております。

人工聴覚器

人工内耳は内耳に電極を挿入し聴神経を電気的に刺激することで聴力を回復する画期的な治療法であり、高度〜重度難聴に対する治療法として世界中で広く用いられております。
人工内耳や人工中耳を含む人工聴覚器医療は急速に発展しておりますが、新しいデバイスの開発やそれを支えるための基礎的研究が欠かせません。信州大学医学部人工聴覚器学講座では人工聴覚器の臨床研究を通じて、新しい人工聴覚器医療の実用化を目指す研究を実施しております。また、人工内耳患者さんの原因遺伝子と人工内耳の効果の関連に関する研究にも注力しております。 

バイオインフォマティクス

近年の次次世代シークエンサーの臨床応用により難聴の原因診断は大幅に進歩しましたが、次世代シークエンス解析で見つかる多くのバリアンtのの病的意義の解釈は、多くのデータベースの知識(公的コントロールデータベース・疾患特異的データベース)が必要な新たな挑戦が必要な研究領域となっております。 このような問題を解決するため、信州大学医学部人工聴覚器学講座では、データベースソフトを独自開発するとともに、実際の臨床で活用しております。また、Ion AmpliSeq法に対応した新しいコピー数バリアント(CNV)解析手法を開発して、診断に活用しています。

Image by National Cancer Institute
耳試験
彼女の子供を持つ母親

遺伝子発現解析

次世代シークエンサーの臨床応用により、難聴の原因遺伝子の解析に関しては大きな進展がありましたが、実際にヒト内耳でどのような遺伝子が発現しているのかに関しては、研究が大幅に遅れています。

研究が遅れている要因の一つに内耳が骨で囲まれた組織であり、難聴となってしまうために生検することができないため、研究をおこなうことが理由に挙げられます。信州大学医学部人工聴覚器学講座では海外の大学との国際研究によりマウス、マーモセット、ヒト内耳の遺伝子発現解析を行い、難聴のメカニズム解明に向けた研究を実施しております。

難聴の疫学研究

遺伝性難聴の約70%は難聴だけが症状の非症候群性難聴であるが、約30%は難聴にさまざまな疾患を伴う症候群性難聴となることが知られています。しかしながら、症候群性難聴の多くは罹患者頻度の低い稀少な疾患であるため、臨床的特徴は必ずしも明確になっておりません。

信州大学医学部人工聴覚器学講座は、厚生労働省難治性疾患政策研究事業「難治性聴覚障害に関する調査研究班」の研究代表施設として、指定難病である若年発症型両側性感音難聴、アッシャー症候群、鰓耳腎症候群、遅発性内リンパ水腫に加え、症候群性難聴に関して、全国規模の疫学調査や診療ガイドライン作成に関する研究を実施しております。

難聴児のリハビリテーション

難聴の原因の違いが人工内耳の装用効果に影響を及ぼすことが明らかとなってきております。遺伝子の関与する難聴のうち、特に内耳に特異的に発現する原因遺伝子が関与する難聴では、他の原因による難聴と比較して人工内耳の装用効果が良好であることが明らかとなってきております。
​信州大学医学部人工聴覚器学講座では、人工内耳装用患者さんの原因ごとに人工内耳装用後の聴性行動の発達に関して調査研究を進めるとともに、原因診断に応じた人工内耳装用後の個別化(リ)ハビリテーションプログラムの開発に関する研究、人工内耳装用効果の評価に関する研究を実施しております。

信州大学医学部人工聴覚器学講座

〒390-8621 長野県松本市旭3-1-1

©2022 Department of Hearing Implant Sciences, Shinshu University School of Medicine

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